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井川 直樹; 田口 富嗣; 野澤 貴史*; Snead, L. L.*; 檜木 達也*; McLaughlin, J. C.*; 加藤 雄大*; 實川 資朗; 香山 晃*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 66(2-4), p.551 - 554, 2005/02
被引用回数:47 パーセンタイル:82.48(Chemistry, Multidisciplinary)SiCは高温機械特性や中性子照射下での低放射化特性等に優れているが、低い靱性や脆性破壊挙動が問題である。SiC繊維で強化したSiC複合材料は、SiCの持つこれらの欠点を大きく改善させたものであり、核融合炉の第一壁等を始めとした構造材料として期待されている。近年、従来よりも高温安定性や耐酸化性に優れた高結晶性SiC繊維が開発され、一層の機械特性等の向上が期待されている。本報では、これら新繊維を用い、機械特性の向上を目標として、低放射化特性に最も優れた手法である化学気相浸透法を用いた複合材料作製の最適化を行った。作製時の原料ガスやキャリアガスの流量等を変化させることにより、従来よりも複合材料の緻密化,均質化が達成できた。また、複合材料中のSiC繊維割合を増加させることにより気孔が減少することがわかった。SiC繊維-母相間の界面材として、カーボン層あるいはC/SiC多層を採用し、界面材の厚みに対する引張機械特性評価を行った。50300nmの界面材厚さ範囲では、引張機械特性の厚み依存性が極めて小さく、この結果、界面材の薄膜化が可能であり、耐照射性の向上が期待できること、また、界面材厚みに対する設計誤差の許容範囲が拡大することを見いだした。
栗原 良一
JAERI-Tech 2004-052, 39 Pages, 2004/07
核融合動力炉の設計において、コンパクトな炉で高い核融合出力を達成しようとすれば、プラズマから第一壁やダイバータ板上に数MW/mの熱流束と高速中性子束が作用する。その場合、第一壁表面や材料中に微小き裂が発生する可能性は十分考えられる。微小き裂が疲労やクリープなどによって有意な寸法のき裂に成長した場合、第一壁の構造健全性は非常に低くなる。第一壁内をき裂が貫通すれば、核融合炉の安全性を脅かす要因の一つになりうる。本報では、このような使用環境にさらされるフェライト鋼またはSiC/SiC複合材料で製造した核融合炉第一壁が抱える構造健全性上の課題を整理した。
栗原 良一; 植田 脩三; 西尾 敏; 関 泰
Fusion Engineering and Design, 54(3-4), p.465 - 471, 2001/04
被引用回数:10 パーセンタイル:59.01(Nuclear Science & Technology)原研で概念設計を行った将来の核融合動力炉DREAMのSiC/SiC複合材料製ブランケット第一壁を対象に有限要素解析を行った。第一壁端面で熱膨張が拘束された場合の曲げ変形と応力分布を解析した。また、第一壁表面に亀裂を想定し、予備的な破壊力学的評価を実施した。その結果、第一壁の設計では熱膨張を逃す工夫が必要であることがわかった。また、SiC/SiC複合材料では繊維ブリッジによる亀裂進展阻止効果が認められた。
田口 富嗣; 井川 直樹; 山田 禮司; 二川 正敏; 實川 資朗
Ceramic Engineering and Science Proceedings (25th Annual Conference on Composites, Advanced Ceramics, Materials, and Structures: A), 22(3), p.533 - 538, 2001/03
SiC/SiC複合材料は、高温強度に優れ、低放射化の観点から核融合炉の候補材料の一つである。これまでに、BN層をコーティングした繊維を用いて、優れた破壊挙動を有する結果が報告されている。しかし核融合炉環境下では、BNは放射化の点で大きな問題となる。そこで本研究では、BN層の代わりに化学蒸気蒸着(CVD)処理によりC及び-SiCをダブルコートした繊維を用いて反応焼結法により、SiC/SiCを作製した。比較のため界面層のない無処理繊維も用いて作製した。その結果、高密度(2.7g/cm)の試料を作製できた。3点曲げ試験の結果、無処理繊維を用いた試料は脆性破壊を示した。一方、CVD処理繊維を用いた試料では、非脆性破壊挙動を示した。曲げ応力及び破壊エネルギーは、310MPa及び2.0kJ/mと高い値を示した。また、この試料の熱拡散率は、室温で0.17cm/sであった。従来法により作製された試料の熱拡散率(0.08cm/s)に比べ、とても高い値を示した。
田口 富嗣; 井川 直樹; 山田 禮司; 二川 正敏; 實川 資朗
Proceedings of 24th Annual Conference on Composites, Advanced Ceramics, Materials, and Structures A, 21(3), p.453 - 458, 2000/00
SiC/SiC複合材料は、優れた高温強度を有し、さらに低放射化の観点から、核融合炉への応用が期待されている。これまでに、BN層で界面処理した繊維を用いて、優れた結果が報告されている。しかし、核融合炉環境下ではBNは放射化等の点で大きな問題となる。そこで、本研究ではBN層の代わりに、ポリマー含浸焼成(PIP)処理により多孔性SiCを、または化学蒸気浸透(CVI)処理によりC及び-SiCをコーティングした繊維を用いた。これらの繊維を用いて、SiC/SiC複合材料を、緻密な試料を作製可能な反応焼結法により作製した。その結果、高密度(2.7g/cm)の試料を作製できた。3点曲げ試験の結果、無処理繊維及びPIP処理繊維を用いて作製した試料は、脆性破壊を示した。一方、CVI処理繊維を用いて作製した試料は、非脆性破壊を示し、高い破壊エネルギーを有した。
田口 富嗣; 井川 直樹; 山田 禮司
Proc. of 2nd IEA/JUPITER Joint Int. Workshop on SiC/SiC Ceramic Composites for Fusion Applications, p.97 - 100, 1997/00
SiC/SiC複合材料は、非脆性的に破壊し、高温強度が高く、低放射化であるということから、核融合炉への応用が期待されている。その材料を核融合炉環境で用いる場合、冷却材として用いるHeの高圧力に耐えることが必要である。また、繊維と母相の界面にBN等の高放射化材を含まないことが不可欠である。本研究では、高密度の材料を作製できると考えられる反応焼結法を用いた。さらにBNをコーティングすることなく、繊維と母相の癒着を防ぐために界面をプレカーサー法で改質した試料を作製し、その密度と破壊応力を測定した。その結果、密度は2.5g/cmであった。界面をプレカーサー法により改質することにより、非脆性破壊挙動の徴候を示し、破壊応力は110MPaであった。
中野 純一; 山田 禮司
Proc. of 2nd IEA/JUPITER Joint Int. Workshop on SiC/SiC Ceramic Composites for Fusion Applications, p.64 - 67, 1997/00
炭化ケイ素(SiC)は、低放射化、及び高温での優れた機械的性質を有し、原子力環境での用途が期待されている。そのため、核融合炉のブランケット及び第一壁用としてSiC複合材料のさまざまな作製法が研究されている。化学気相浸透法(CVI)により作製されたSiC/SiC複合材料がその特性評価のために国内の各研究機関に配布された。原研においては、そのSiC/SiC複合材料の室温から1350Cまでの熱拡散率をレーザーフラッシュ法により測定し、熱伝導度は熱拡散率、比熱、密度から計算した。その値は密度とともに増加した。また、試料の内部状態を調べるためにSEM観察を行い、試料内に多くの気孔が存在することが確認された。これらの気孔を減少させることができれば、熱伝導度はさらに向上すると考えられる。
野澤 貴史; Park, J.-S.*; 中里 直史*; 小沢 和巳; 谷川 博康
no journal, ,
SiCは元来備え持つ優れたエンジニアセラミックスとしての資質に加え、優れた低放射化・耐照射特性等から原子力材料として期待される。一般的には、SiC単体の脆弱性のため、繊維強化した複合材料としての利用検討が進む。数あるパラメータ試験の中でも、特に使用温度として想定される1000C程度までの強度安定性の実証は最も根幹を成すものである。その際、繊維を織り込んだ構造である複合材料は、固有の異方性が不可避であり、その理解が重要である。同時に、限られたデータから多様な負荷形態における強度予測を可能とするモデル構築が、コンポーネント設計を進める上で必要不可欠である。本研究は、高温での引張、圧縮、剪断モード試験を行い、その破壊挙動の特徴を整理し、予測モデル検討を踏まえて、高温強度異方性マップを得ることを主目的とした。
山路 和也*; 桐村 一生*; 小坂 進矢*; 山下 真一郎
no journal, ,
事故耐性燃料の被覆管材としてSiC複合材を使用した場合の炉心核特性への影響を評価した。
古本 健一郎*; 手島 英行*; 渡部 清一*; 山本 晃久*; 白数 訓子; 齋藤 裕明; 山下 真一郎
no journal, ,
高温における水との反応熱および水素発生が少ないSiC複合材は事故耐性燃料被覆管として有力な材料の一つである。しかし、従来の被覆管材料であるZr合金と較べて基本的な材料物性が異なるだけでなく、SiC複合材に特有の照射挙動が存在する。そのため、SiC複合材被覆管燃料棒の運転時の炉内ふるまいは、それらを考慮して解析評価する必要がある。
渡部 清一*; 手島 英行*; 古本 健一郎*; 片山 正晶*; 山下 真一郎
no journal, ,
SiC複合材は高温での安定性に優れ、反応熱や水素発生がほとんどないことから、シビアアクシデントを抑制しうる事故耐性燃料被覆管として有力な材料の一つである。しかし、DBA発生時におけるSiC複合材の挙動に関する知見は少ない。そこで本研究では、DBA発生時の挙動を評価するための試験装置を開発し、SiC複合材被覆管(SiC被覆管)を用いてモックアップ試験を実施した。
山越 義規*; 桐村 一生*; 小坂 進矢*; 山下 真一郎
no journal, ,
事故耐性燃料の被覆管としてSiCを使用した場合のシビアアクシデント時の耐性について評価した。
古本 健一郎*; 佐藤 大樹*; 渡部 清一*; 山下 真一郎; 深堀 智生
no journal, ,
既設PWR燃料にSiC被覆管を適用した燃料棒の健全性評価において、被覆管応力の評価が重要である。また、SiC複合材の機械特性には異方性があるため、軸・周方向それぞれの機械特性を把握することが必要である。しかし、SiC複合材の脆性的挙動のため、特に周方向の機械特性を調べることが技術的に難しい。そこで本研究では、SiC被覆管サンプルを用いて、近年Zr基合金管材を対象として開発された周方向機械特性試験であるA-EDC試験を実施し、SiC被覆管の周方向機械特性の取得を試みた。
石橋 良*; 廣坂 和馬*; 柴田 昌利*; 佐々木 政名*; 土屋 暁之*; 根本 義之
no journal, ,
炭化ケイ素製燃料被覆管は事故時に高い耐熱性を期待しており、強度上の課題となりうる端栓接合部に対して事故時を想定した高温荷重に対する健全性の評価を目的に、端栓接合部での耐荷重を内圧負荷により評価する試験方法とともに、解析により荷重負荷時の端栓接合部での変形挙動を検討した。
山下 真一郎; 根本 義之; 井岡 郁夫; 逢坂 正彦; 川西 智弘; 加治 芳行
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故を教訓に、冷却材喪失等の過酷条件においても損傷しにくく、高い信頼性を有する新型燃料の開発への関心が高まり、世界中の多くの国々において事故耐性を高めた新型燃料(ATF: Accident Tolerant Fuel)の研究開発が進められている。本プレゼンテーションでは、パネルディスカッションの目的に照らして、これまで国内で進めてきたATF開発の状況、研究開発を通じて得た科学的知見を紹介し、米国や中国のパネリストらとともにATFを実機導入するまでの技術的課題等について議論する。